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ご存知ですか?健聴者と聴覚障害者(ろう者)の特性や考えなどの違い

  • 聴覚障がい者の特性を知りたい
  • 聴覚障がい者とのコミュケーション、なぜかずれることが多い
  • 健聴者と聴覚障がい者の認識の違いは何かを知りたい

こんな人に向けて、当記事で聴覚障がい者への理解を深めていただくと、聴覚障がい者との絆が更に深まります。

この記事では、聴覚障がい者の特性やよくある認識、対応方法を紹介しています。

聴覚障がい者本人が健聴者にされて嫌だった対応、されてうれしかった対応も紹介していますので、聴覚障がい者との関係で悩んでいる方はぜひこの記事を学んでみましょう!

本当にあった聴覚障がい者への対応について

ここでは、聴覚障がい者の私が経験した、聞いた本当にあった聴覚障がい者への対応をお話していきます。

聴覚障がい者と聴者のマナーの認識の違い

以下の動画はタイトルの通り、聴覚障害者と聴者のマナーの認識の違いです。

この動画は聴覚障がい者の私も一回視聴しましたが、共感できます。まず、この動画を最後までぜひ視聴していただいて、ろう者の特性を理解していただけたら嬉しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=YJ4ZFhLv37gより引用

最後まで見ていただけたでしょうか。

聴覚障がい者の先輩のお話も聞いたことがありますが、定年まで働いてた職場で名前を呼んでも聞こえないので、消しゴムを投げて気づかせるといったことがあったそうです。

実際、聴覚障がい者の私も社会人になった頃、冷たい対応されたり、心ない発言されたり、本当に色々ありました。今では理解してもらって、少しずつ冷たい対応などが減りつつあります。ですが、完全に冷たい対応はなくなってはいません。

聴覚障がい者の私は今(2024年7月時点)、社会人11年目です。

11年前(2013年)、社会人になると同時に健聴者の世界に本格的に入りました。それまではずっとろう学校(聴覚障がい特別支援学校)にいてて、ろう者の世界に17年過ごしてきました。健聴者の学校と交流する機会はありましたが、1年に3回ぐらいでした。

つまり、17年間はほとんどろう者の世界にいて、ろう者ならでの振る舞いを身につきました。

そのまま社会人になり、ろう者の世界では当たり前のように使った手招きを先輩に対してやってしまいました。その時は何も言われなかったのですが、毎日使っていくと、別の優しい健聴者の方が聴覚障がい者の私のところに来て、「手招きは失礼だよ」を書いた紙を渡されました。

そこから手招きしなくなりました。呼ぶとき、手をあげています。

これは一部ですが、他にも注意されたことはたくさんありました。

健聴者の方に色々と指摘を受けて、直してきて、今ではほとんど注意されなくなりました。

聴覚障がい者の声と差別

まず、聴覚障がい者への差別対応事例を知ってほしいです。なぜ知ってほしいかいというと、健聴者にとっては優しい対応したと思っていても、聴覚障がい者にとっては差別だと思うことはたくさんあるからです。

某聴覚障がい者協会のイベントで、差別について討論がありました。色々ありましたが、一部抜粋して紹介いたします。

1時間の会議に4行だけの文書

1時間ほどの会議があって、聴覚障がい者の友達も参加しているとのことですが、A4用紙に結論のみでたった4行しかなかったそうです。聴覚障がい者の友達が、結論がわかったのはいいけど、なぜそう至ったのかを知りたいと言っていました。

健聴者側は聴覚障がい者のために会議で決めたことを紙に書いたのはいい対応したと思うかもしれません。しかし、聴覚障がい者にとってはなぜその結論に至ったのかを知りたいです。

居酒屋の対応

聴覚障がい者グループがとある居酒屋にFAXで予約したところ、手話できる人がいないからと断られた。聴覚障がい者協会がその居酒屋に抗議し、改善したそうですが、障害があってもなくても平等に対応してほしいです。

気遣いゼロの早口

これは聴覚障がい者の私も経験があります。とある宅配便店で荷物を送るために行って、事前に記入した依頼内容を書いた紙、を担当者に見せると、早口で話しかけられました。紙にもう少しゆっくり話してくれませんかと書いて見せたにもかかわらず、早口で話しけられます。すみませんですが、紙に書いてくれませんか?と書いて見せたのに、話しかけられます。

【私の考え】

色んな事例がありますが、聴覚障がい者に限らず、障害者と健常者と平等に扱ってほしいと思います。

聴覚障がい者協会などの団体の必死な活動のおかげで差別減りつつあります。聴覚障がい者の私個人でも差別解消の貢献のためにブログで発信しています。

大事なのは、聴覚障がい者はもちろん、障害者も平等に社会参加できるように法整備、バリアフリーの整備などをしてほしいです。

そのために、聴覚障がい者の私も含めて、要望活動を継続していきます。

聴覚障がい者の特性

差別事例を学んでいただきありがとうございます。その内容を頭に入れてもらって、特性を学んでもらおうと思っています。

まず、主な特性はこの4つです。

  1. 大きな音しか聞こえない人
  2. 片耳しか聞こえない人
  3. 大きな音は聞こえるが、小さな音は少し聞こえない人
  4. 全く聞こえない人

※私の場合、④全く聞こえない人です。

落としたら大きな音になる重いものが、後ろで誰かが誤って落としても私は気づかない場合が多いです。

例えば、固いバケツを誤って落としたら大きな音が周りに響くと思います。それでも私は気づかずに歩いて行っています。それぐらい、全く聞こえません。

コミュニケーション手段

聴覚障害者の私が職場の方、健聴者の友達にヒアリング調査したことがあり、一番ろう者への対応方法が困ったのは「コミュニケーション」でした。

特にろう者に対応するのが初めての人はイメージしづらいかもしれないので、私の経験を供述します。

聞こえない理由で困ったことを挙げます。私だけではなく、ほかのろう者も、同じことを困っている人がいます。

  • 電車などのアナウンスが聞こえない。
  • 電話にしか受け付けてないところがあり、困ったことがあった。
  • 映画館で観たい映画に字幕がないと諦める。
  • マスクをつけたまま話しかけられる。(今は透明マスク、フェイスシールドなど)
  • 駅や道路などで突然、見知らぬ人に道を聞かれたとき、私が聞こえないという身振りを示すと、「チッ」といったような顔でされたこと。

ほかにも色々あります。

聴覚障害者の私が差別対応され、ショックを受けた経験があります。

聴覚障害者の私も非があったと理解している前提で供述します。

細い道で歩いた時の出来事です。原付以上の自動車は通れないぐらいの細い道を歩いていたとき、後ろに原付がやってきました。しかし、私は気づかず歩いていきました。

すると、何か後ろに気配を感じたのです。振り向くと原付がついていきました。その方の表情を見るとかなり怒って、私は慌てて、原付が通れるようにどきました。

すると、早口でわからなかったのですが、「アブねぇだろ!くそが!」と言われました。私は身振りで耳が聞こえないと伝えましたが、理解できず、そのまま走っていきました。

私も非があったのですが、とても悲しかったです。

その反省を活かして、今も時々後ろを見ながら歩いています。

手話を覚えるのもコミュニケーション手段の一つ

もし手話に興味があれば、覚えるのもコミュニケーション手段の一つにもなれ、手話広めるのを貢献ができます。

手話に興味があれば、私がYouTubeで手話を教えていますので、のぞいてみてください。よかったら勉強していただけると嬉しいです。

私のYouTubeはこちら

聴覚障害者(ろう者)の誤解

聴者とろう者の間に生じる誤解について説明したいと思います。

筆談するとき

「忙しい」などの理由でたまに乱暴で文字を書く人がおられますが、怒っていると誤解を与える恐れがあります。筆談でやりとりするときは落ち着いてやりましょう。

また、文字を書くときはできれば、丁寧でお願い致します。

筆談する際、長い文より短文で書くようにお願いします。

たとえば、「明日は研修があります。場所は4階の会議室です。時間は14時に集合してください」と言いたいとしましょう。

筆談する場合、

「明日研修があります。場所→4階の会議室。時間→14時」という感じに書いたほうが仕事も早く進められます。

対策方法は、忙しくても、落ち着いて筆談で対応。文章はできれば短く。

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口話するとき

聴覚障害者の私が実際に経験した誤解について紹介します。

口話するとき、ゆっくり大きく話してくれますが

①「たばこ」 「たまご」

②「おにぎり」 「おいしい」

③「おと」 「おの」

などなど・・・

共通点気づきませんか?

発音は違いますが、口の動きが似てます。

対策方法としては

「たばこ」を表現したいときはたばこの身振りを一緒にしましょう。「おにぎり」を表現したいとき、おにぎりを作っている身振りを一緒にしましょう。

このように可能な限り、身振りも表現しましょう!

聴覚障害者(ろう者)に関する書籍の紹介(僕のおすすめする本)

この本は聴者とろう者の認識のズレ、言葉のズレなどをまとめた1冊です。

この本から一部紹介させていただきます。

「つもり」という言葉に対して、聴覚障害者は「実際にやらなかった方が多い」とされていますが、聴者は「実際にやった人が多い」とされています。

聴覚障害者の私もこの本から「つもり」について、新しい気づきを得て、これから極力「つもり」という表現を使わないようにしています。

このように、ろう者も聴者も新しい発見、新しい気づきが多く得られる本です。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を読んでみて、ろう者に対しての再認識ができた聴者が多かったのではないでしょうか。

先程紹介した「ろう者のトリセツ、聴者のトリセツ」の本を読んでみて、私も聴者に対しての認識が大きく変わりました。

マナーにおいて、聴者、ろう者の認識が違ったり、筆談にも細かい方法があったり、口話も細かい方法もあったりで驚いたのではないでしょうか。

細かいようですが、対応してあげると聴覚障害者の私も非常に嬉しいです。

また、聴者がろう者への対応で一番困っているのが「コミュニケーション」です。