聴覚障がい者

コミュニケーションから共感まで:聴覚障害者向けコミュニケーションガイド

このサイトに訪問した健聴者は、聴覚障害者に対してどんなサポートが必要なのかを知りたい方なのではないでしょうか。

また、以下のお悩みをお持ちなのではないでしょうか。

  • 聴覚障がい者とどういったコミュニケーションを取ったらいいか知りたい。
  • 聴覚障がい者について理解を深めたい
  • コミュニケーションについて相談がしたい(お問合せよりご相談ください。最後のページの部分にあります)

その前に一つだけ気を付けてほしいのが、聴覚障がいといっても様々です。健聴者と同等程度の口話ができる人だったり、全くできない人だったり、様々です。

当然、対応方法も変わってきます。大事なのは、話し合いです。

この記事では、聴覚障がい者とのコミュニケーションガイドです。先ほど供述したように、聴覚障がいといっても様々です。だから、後ほど紹介するコミュニケーションガイドに記載している内容と全く同じ対応方法とは限りません。あくまでも参考程度でお願いいたします。

繰り返しになりますが、話し合いが重要です。

1. コミュニケーションのヒントとツール

聴覚障がい者の特徴

聴覚障がい者の主な特徴としては、「耳が聞こえない」です。

耳が聞こえないといっても様々です。少し聞こえる人、大きな音しか聞こえない人、全く聞こえない人、片耳だけ聞こえない人など。

聴覚障がい者の私は全く聞こえない人です。近くに何か大きな音があっても、振動がない限り、気づけません。

補聴器(人工内耳)をつけると、どんな音でも聞こえます。ただ、話し声は聞こえますが、内容は分からない場合が多い。要は音としては聞こえますが、内容までは理解できないということです。

口話はできるとは言い切れないのですが、そこそこできるかなと思っています。

聴覚障がい者の私の主なコミュニケーション手段が手話です。健聴者とのコミュニケーションは筆談です。

とはいえ、聴覚障がい者と健聴者とのコミュニケーションのズレはよくあることです。

コミュニケーションのズレ

聴覚障がい者の場合は、手話によってイメージして文章を書きます。例えば、「~するつもり」の場合、聴者にとっては「やる前提」だと思いますが、聴覚障がい者は「やらない前提」で伝えている場合が多いです。

コミュニケーションのズレについて学べる本があります。

聴覚障がい者とのコミュケーションのズレに悩んでいる方にとって非常に勉強になります。

この本は、聴者に限らず、ろう者(聴覚障がい者)にとってもためになります。

非常に薄い国語辞典のようなもので、ひとつの言葉に対するろう者と聴者の見方が細かく書かれています。

先ほど供述した「つもり」も、この本にも書かれています。ろう者にとっては「やらない前提」、聴者にとっては「やる前提」になっています。

ただ、全てのろう者・聴者に当てはまるとは限らないので、参考程度として。

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聴覚障がい者の私のお話になってしまいましたが、耳が全く聞こえないと言う事は理解していただけたかと思います。

コミュケーションツール

最近、技術の進歩のおかげで、聴覚障がい者とのコミュニケーションが円滑になってきています。

聴覚障がい者の私も聴者とのコミュニケーションがやりやすくなったと感じています。聴覚障がい者の私が主に使用しているコミュニケーションのツールは、スマホのメモ帳です。とはいえ、仕事中、スマホを使ってはいけない場面もあると思います。

その時に役に立つのが、電子ボートです。

電子ボード

この電子ボードは、12インチほどの大きさでカバンに入れて、持ち運びもできるので、駅などでドラブルが起きたとき、すぐカバンから出して、筆談してやりとりができます!

さらに紙に書かなくて済むので、紙を探す手間、捨てる手間などがなくなります。時間の節約にもつながります!

ただ、デメリットとしては、画面が暗いです。また、付属ペンをなくしてしまうと、代用としてボールペンなどが使えますが、書きにくいという声もあります。また、使い方によって画面の部分に傷付く恐れがあるので、注意が必要です。

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UDトーク

簡単に言うと、音声翻訳です。相手の声を文字に変換するアプリです。

凄い技術の進歩ですね!

ただ、100%その通りに翻訳できるとは限りません。だから、相手に確認も大事になります。

要は、まずは相手の声で話してもらうと、スマホの画面に、相手の声が文字として出てきます。それを相手に見せて合ってるのか確認してもらいます。

手間のかかる作業ですが、特に仕事ではズレたらドラブルの元になるので、お互い確認し合うことが大切です。

興味がある方は以下より、ダウンロードしてみてください。

UDトーク

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2. 職場や学校でのアクセシビリティ

アクセシビリティとは、簡単にいうと「みんなが使いやすいこと」です。

例えば、階段だけでなくエレベーターや手すりがあることで、足が不自由な人でも建物に入ることができます。また、大きな字や色のついたボタンがあることで、目が見えづらい人でもスムーズに情報を受け取ることができるのです。アクセシビリティは、誰もが快適に使えるように、さまざまな工夫や配慮がされています。

聴覚障がい者のアクセシビリティとは主に以下の内容があります。

  1. 字幕や手話通訳: 映像コンテンツやイベントで、字幕や手話通訳を提供することで、聴覚障がい者も情報を理解できます。
  2. テキスト情報の提供: 音声情報をテキストに変換するテキスト変換装置や、重要な音声情報をテキストで提供することで、情報へのアクセスを可能にします。
  3. 聴覚障がい者向けの技術: コミュニケーションを補助するための技術、例えば、振動や光で知らせるデバイスや、聴覚情報を視覚情報に変換する装置などがあります。

電車やバスで通勤・通学されている方は一回は電光掲示板を見ているのではないでしょうか。

また、映画に字幕ついているのがあります。字幕があるから聴覚障がい者も楽しめるのです。

最近、テレビのニュースに手話通訳もつけています。そのおかげでニュースの内容の理解もできます。

このように、健常者だけではなく、障害者も利用しやすい環境を作ることも大事です。

3. 心理的サポートとコミュニティの役割

聴覚障がい者は時に孤立にストレスを感じることがあります。どういうところが孤立を感じるのかを一緒にみていきましょう。

孤立の原因

  1. コミュニケーションの障害: 聴覚障がい者は、会話や周囲の音に対して適切に反応するのが難しいため、コミュニケーションが困難になることがあります。これにより、意思疎通が滞り、孤立感を生むことがあります。
  2. 社会的理解の不足: 聴覚障がい者の状況やニーズに対する理解が不足していることがあります。これが周囲の人々とのコミュニケーションや活動における障壁となり、孤立感を引き起こすことがあります。

孤立の克服方法

  1. コミュニケーション手段の多様化: 手話や文字によるコミュニケーションのサポートを提供することで、聴覚障がい者とのコミュニケーションを促進します。
  2. 理解と教育の推進: 聴覚障がいについての正しい理解を広め、周囲の人々に対する啓発と教育を行うことが重要です。
  3. アクセシビリティの確保: 聴覚障がい者が参加する環境をバリアフリーにし、情報やサービスへのアクセスを容易にすることが必要です。

再確認:アクセシビリティとはみんなが使いやすいこと

まとめて書きますと、理解不足やコミュニケーション困難で孤立を感じる聴覚障害者が多いです。だから、理解をし、手話や筆談などで情報提供などのサポートすることです。

4.テクノロジーと聴覚障がい者

ここから少し難しいお話になります。興味がない方は飛ばしても構いません。

技術の進歩のおかげで、聴覚障がい者もより生活しやすくなりました。

例えば、スマホでいうなら振動通知、寝起きでいうなら振動付目覚まし時計、電話でいうならビデオ通話、インターホンでいうならモニター付インターホンまたはパトライトの整備、健聴者との会話でいうなら音声翻訳など。

聴覚障がい者の私たちにとっては本当にありがたいお話です。

例えば、音を光や振動などで情報を伝えたり、リアルタイム翻訳技術で会話ができるようになったりしています。

テクノロジーのおかげで聴覚障がい者の生活を劇的に改善しています。

また、健聴者にとっても、YouTubeやオンライン手話講座などで「いつでも、どこでも」手話を学べるようになっています。

本当にありがたいお話ですね!

5. 共感と理解を広める啓発活動

聴覚障がい者への理解が広がりつつありますが、まだ完全ではありません。

全国にいる聴覚障がい者を団結させ、活動のおかげで、障がい者差別解消法や手話言語条約の制定などがされています。

そのおかげで、聴覚障がい者の私の周りにも手話の勉強を始める人が増えています。

手話講座の担当者から聞くと、手話講座の参加者も増えているとのことです。

これは、聴覚障がい者への理解を広めた成果のひとつと言ってもいいかもしれません。

とはいえ、まだ差別を受けている話も聞きます。もちろん、聴覚障がい者の私も差別だなと感じる場面はたくさんあります。

このコミュニケーションガイドをきっかけに、聴覚障がい者への理解をさらに深めていただけると非常に嬉しいです。

最後になりますが、聴覚障がい者とその周囲の人々がより理解し合い、共に支え合える社会の実現を向けた一歩となります。

まとめ

  1. コミュニケーションの特徴と手段:
    • 聴覚障がい者の状況は多様であり、「耳が聞こえない」だけでなく、程度や聞こえ方には個人差がある。
    • 聴覚障がい者と健聴者の間にはコミュニケーション上のズレが生じることがある。
    • 聴覚障がい者のコミュニケーション手段には手話や筆談などがある。
  2. コミュニケーションのズレ:
    • 聴覚障がい者と健聴者の間で、「つもり」などの言葉の解釈に違いが生じることがある。
    • 聴覚障がい者と健聴者の理解にズレがあるため、コミュニケーションが困難になることがある。
  3. 技術の進歩とコミュニケーション支援:
    • テクノロジーの進歩により、聴覚障がい者のコミュニケーション手段が改善されてきている。
    • 振動通知や音声翻訳などのテクノロジーが聴覚障がい者の生活を支援している。
  4. アクセシビリティと社会参加:
    • 字幕や手話通訳、大きな字や色のボタンなどの提供により、聴覚障がい者も情報やサービスへのアクセスが可能になっている。
    • 聴覚障がい者と健常者が利用しやすい環境を作ることが重要である。
  5. 孤立感とコミュニティの役割:
    • コミュニケーション障害や社会的理解の不足から、聴覚障がい者が孤立感を感じることがある。
    • 手話や筆談などのコミュニケーション手段のサポートや理解を深める啓発活動が必要。
  6. 理解の促進と課題:
    • 聴覚障がい者への理解は進んでいるが、まだ不十分であり、差別やコミュニケーション上の課題が存在する。
    • コミュニケーションガイドや啓発活動を通じて、聴覚障がい者への理解を深めることが重要である。

聴覚障がい者と健聴者との間でコミュニケーションの理解を深め、共に支え合える社会を実現するために、啓発活動や適切なサポートの提供が重要であることが示されています。