このサイトに訪問した健聴者は「手話について詳しく知りたい」と思っている方ではないでしょうか。
手話は聴覚障害者にとっては欠かせないコミュニケーション手段です。
手話の勉強した方は、一度、「手話は命」という表現を見たことはあると思いますが、聴覚障害者の私も非常に同感です。
「手話は命」と聞いてもピーンとこない方が多いと思いますが、後ほど詳しく供述しますが、「手話の歴史」を学べば、理解ができます。
「なぜ手話は命なのか」「手話の歴史」を、聴覚障害者の私が解説します。
読み切った後、手話への関心がより高まり、聴覚障害者のために勉強しようという意欲が湧き出るかもしれません!
聴覚障害者の私と一緒に手話について詳しく学んでいきましょう!
手話の歴史
「なぜ手話は命」なのかを解説する前に手話の歴史を理解してほしいです。
手話サークル、手話教室など行くと、手話で会話が飛び混じっています。
また、レストラン、電車などで手話で会話しているところ、一度見たことがある方が多いと思います。
実はそんな手話が禁止されていた時代があったのです!
時の文部大臣、鳩山一郎は、全国のろう学校に口話の指導に力を入れるように指示します。これ以後、口話教育は全国に広まっていきました。
1962年放送の「テレビろう学校」。聴覚障害の子を持つ親に向け、口話の指導法を教えました。
口話教育は家庭でも重視されていたのです。一方手話は、多くのろう学校で禁止されました。これは、口話教育の「教則本」として、教師たちが参考にした書籍です。
手話に対する差別的な言葉が並び
手話は口話の習得を妨げるものと
滋賀県に住む辻久孝(ひさたか)さん、57歳です。
2歳の時に聴力がないことが分かった辻さんは、幼稚部から高等部までろう学校で過ごしました。
辻さんが通っていた学校では、休み時間も手話が禁止されました。手話でおしゃべりしたい時は、隠れて使っていたと言います。
(※)ろう学校とは、聴覚障害者特別支援学校
補足として、手話禁止についての様々な説がありますが、1つの説を紹介させてください。
昔、就職する際、口話ができない人は採用してくれませんでした。ろう学校はそれに対し、危機感を覚え、口話できる人材になるように、厳しく教え込んだという話もあります。
今のろう学校は手話教育です。聴覚障害者の私は手話教育で育たられました。
聴覚障害者の私の50代先輩も、手話禁止で口話教育で育てられた一人です。しかし、口話はあまりできません。しかし、隠れて手話を使っていたことが多く、手話は非常に上手で、話も面白く、いつも私も笑わせてもらっています!
なぜ手話は命なのか
手話の歴史は理解していただけましたでしょうか。
「隠れて手話を使っていた」という表現に、「手話は命」だと認識できたのではないでしょうか。
その通りです。
今コロナで、テレビで知事や首相の説明する時、手話通訳も写しているのを見ている方が多いではないでしょうか。
逆に考えていただきたいのですが、もし聴覚障害者が知事や首相の説明に参加し、手話通訳者がいなかったら、どうなるのでしょうか。
話の内容がほとんど理解できなくなります。
手話通訳者の存在で、出席している聴覚障害者も説明の内容が理解できます。
知事や首相の説明だけではなく、講演会、劇などでも手話通訳が配置されていることがよくあります。手話通訳のおかげで、内容の理解ができます。
それぐらい、聴覚障害者にとっては「手話が命」です。
健聴者の読者のあなた、1つ想像してみてほしいのですが、あなたは全く耳が聞こえないと想像してみてください。
これからお話するのは、私の聴覚障害者の先輩に聞いた話です。
健聴者の読者のあなたは警察に、事故被害の報告をしています。文字による筆談でやりとりしています。
しかし、警察は忙しいからなのか、筆談は応じず、加害者の話を聞きました。
それで処理が終わりました。
しかし、被害者の聴覚障害者は「自分の意見まだ言ってないのに!!」と腹が立ち、後日、手話通訳者を呼び、警察に出向かい、謝罪され、手話通訳者のおかげで、警察の誤解が解けたという話がありました。
想像してみてどうでしょうか?こういう経験した聴覚障害者の先輩の気持ちはわかるのではないでしょうか?
では、もう一つ、聴覚障害者の私も経験談ですが、荷物を送りたくて、とある宅配便へ行きました。しかし、手で「×」を作り、送れないと言われました。そこでどうしたら送れるようになるのでしょうか?と筆談し、見せました。しかし、口話で説明されました。
要は、これらが手話があったら、スムーズに話が進められるし、警察の誤解がなく処理ができたのと、宅配便で大きな荷物が送れる方法の説明も受けられたでしょう。
なので、最近、手話言語法制定し、手話が少しずつ広めつつあります。
手話言語法とは、日本の言語に「日本語」のもう一つ、「手話」を追加することです。
時間がかかるのですが、10年後20年後は手話できる人が良く見かけるようになったという世界の期待ができます。
まとめ
最後まで見ていただきありがとうございました。
手話についての理解が深められたのではないでしょうか。手話禁止されていたのは、意外だった!と思ったのではないでしょうか?
禁止されている中で聴覚障害者同士でひそかに手話で会話していたというぐらいに、「手話が大事」「手話が命」だと伝わってきたと思います。
これは現代もそうです。
聴覚障害者の私たちは「手話」で育てられてきました。これからも続きます。
手話について更に詳しく知りたい方は以下のお問合せにて質問も可能です!