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【聴覚障害者が徹底解説】聴覚障害者の特性、よくある誤解と対応方法 

このサイトに訪問した健聴者の方は「聴覚障害者への対応方法がわからない」「失礼のない対応を心掛けているつもりだけど、嫌われている。あるいは避けられている」などで悩んでいる方ではないでしょうか。

そこで、聴覚障害者の私が執筆し、健聴者が悩む『聴覚障害者への対応』の解決の手助けができればと思い、書いています。

ご参考していただけると幸いです。

まず、理解していただきたいのが、聴覚障害者は耳が聞こえない分、文章書くのが苦手な方が多く、手話で話したいのが現状です。

例えば、LINEなどによる文字のやりとりより、ビデオ通話で会話する聴覚障害者も多いです。

聴覚障害者の私はどちらか言えば、文字によるやり取りが多いです。それは文章が得意だからではありません。大事な話のときだけビデオ通話で、手話を使って会話しています。

さて、本題に入ります。「自分がされて嫌なことは、人にしない」これは、社会人としての基本中の基本です。

ですが、聴覚障害者にとって、健聴者にされて嫌なこと、言われて嫌なこともあります。それを理解するために聴覚障害者の特性、聴覚障害者の私の経験をもとに供述していますので、参考していただけると非常に幸いです。

聴覚障害者の特性

聴覚障害者と聞くと、聞こえないとすぐ思いつくのですが、障害の程度は人によって違います。聴覚障害者に関する話でよく聞くのが以下のキーワードではないでしょうか。

  • 難聴
  • ろう者

難聴って聞くとなんとなく想像できるでしょう。ただ、ろう者と聞くと、初めての人にとっては知らない方が多いではないでしょうか。

解説する前に一つわかっていただきたいのが、聴覚障害者といっても、様々です。よって、聞こえのレベルも様々です。

難聴 聞こえにくいが、聴力は残っている人。
ろう者 聴力が全く残ってない人

上の表を見ればわかるように、こういう分類をします。

細かく言うと、難聴は程度が違います。

  • 軽度難聴
  • 重度難聴

文字の通り、軽い障害、重い障害があります。ろう者の場合は、聴覚障害者の中で一番重いです。

『聴覚障害者の特性』のおさらい

聴覚障害者の主な種類は以下の通りです。

  1. ろう者
  2. 重度難聴
  3. 軽度難聴

聴覚障害の程度が重い順は以下の通りです。

ろう者➡重度難聴➡軽度難聴

聴覚障害者の皆は手話ができる?

タイトルの通り、『聴覚障害者』と聞くと手話ができるというイメージする方が多いようです。

確かに、聴覚障害者の私も、健聴者の立場だったら、聴覚障害者は手話ができるとイメージします。

実は、聴覚障害者でも、手話知らない人がいます。

『えっ?どうやって会話してるの?』と思ったのではないでしょうか。

色んな要因がありますが、最大の要因は、育児環境です。

聴覚障害児がろう学校(聴覚障害者支援学校)に通っていたのか、普通の学校に通っていたかで変わります。

ろう学校に通っていた場合、第一言語が手話という環境になるので、手話を使えば使うほど自然と覚えていきます。

また、ろう学校に、普通の学校に通っている聴覚障害児を対象とする通信教育があり、普通の学校出身の方でも手話ができる人がおられます。

要は、聴覚障害児が普通の学校に通ったからといって、手話が知らないとは限りません。

育児環境によって、手話レベルが変わります。

『聴覚障害者の皆は手話ができる?』のおさらい

育児環境によって手話レベルが変わります。

普通の学校に通ってたからといって、手話が知らないとは限りません。

聴覚障害者に対するよくある誤解と対処方法

口話できる

中に聴覚障害者が口話でコミュニケーションをとる人がいます。ただ、よくある勘違いが、「口話ができる=聞こえる」です。

確かに普通に考えると、口話できると聞こえると思い込みます。

実は、聴覚障害者が口話しているのは、必死です。どういうことかいうと、健聴者の場合、スムーズに発音できるのに対し、聴覚障害者は発音を出すのに必死な場合が多い。

聴覚障害者自身にとっては必死に話しているのに対し、健聴者は「普通に話せてるから聞こえるよね」と思い込む人が非常に多いです。

ただ、聴覚障害者が口話しているのは必死だと限りません。見極めてあげるのは、非常に難しいかもしれません。ですが、この記事を読んで、聴覚障害者に対する見方が変われば、聴覚障害者の私も非常にうれしいです。

無視された

これは聴覚障害者であると知らずに、呼んだのに気づかないと、「無視された」と誤解するのは、よくある話です。

聴覚障害者の私も何度も経験しました。

その中で無視されたという誤解を与え、迷惑をかけた経験をしました。お話をします。

あるとき、夕方、小さな施設にあるATMへ行き、手続き済ませ、その時、カード指したままで店に出ました。次の人が気づき、声で私を呼びました。しかし、私は気づかず、車に乗りました。すると、車まで駆け寄ってきました。カードが忘れてますと説明され、何度も謝りました。

その時は人口内耳を付けてたのですが、呼ばれる声が聞こえませんでした。。。。

同じ失敗しないように、手続き完了した直後、財布の中にあるカードポケットを確認するようにしています。

「無視された」はよくある誤解ですが、補聴器を付けたら、気づく人もいます。私は人口内耳ですが、先ほど紹介した経験の通り、呼ばれたら気づく場合、気づかない場合があります。

超能力などの特別な能力持ってない限り、初めての人に「聴覚障害者」であるとわかる人はいないので、難しい課題です。

できることと言えば、先ほど紹介した私の経験で、人に迷惑をかけないようにどうしたらいいかと考えることが大事だと思っています。

要は、二度と同じ迷惑をかけないように、自分が気を付けることが大事だと思っています。

聴覚障害者は文章読み書きができない

「聞こえない=文章読み書きできない」と誤解する健聴者が時々おられます。

確かにそういう思い込みが多いです。細かいのですが、表現が問題です。

「文章が書けない」のではなく、「文章苦手な方が多い」です。

「聞こえない=文章読み書きできない」ではなく、「文章苦手な方が多い」です。もし、「文章読み書きできない」のであれば、聴覚障害者の私はこの記事が書けません。

そこで、健聴者の読者のあなたが、聴覚障害者と筆談して、「なんだこの意味は?」と思っていることが多かったら、聴覚障害者に以下の提案をしてみてください。

  • 短くでいいので、書ける?
  • 今と関係のない話は飛ばして、まとめた文章書ける?
  • もし、写真や図があれば、見せてください

です。

聴覚障害者はダラダラと長い文章を書く方が非常に多いです。聴覚障害者の私もダラダラ長いとよく言われました。今の話と関係ないことを文章に盛り込んだこと、何度もあり、混乱させたことがあります。

いきなり短くでいいので、書ける?と提案すると、聴覚障害者にとっては戸惑うかもしれませんが、これは聴覚障害者のためになります。なぜなら、要らない言葉を省く思考力、この言葉でいいのかという判断力を養うことができます。

まとめ

ここまで読んでみて、聴覚障害者は様々な障害があると理解ができたではないでしょうか。

また、口話もできると思ったが、実は必死だったんだと気付いた方が多いのではないでしょうか。

現在、私は主に手話と筆談ですが、場合によって口話することがあり、健聴者のようにスムーズに話せることができません。

健聴者の場合、「私はできます」というスムーズな流れで話せるのですが、聴覚障害者の場合は1つ1つ話すことが多いです。私もそうです。

「わ」「た」「し」「は」「で」「き」「ま」「す」

という感じです。ただ、全ての聴覚障害者に当てはまるわけではありません。障害の程度、育児環境、口話訓練によって違います。

聴覚障害者の歴史を学ぶと、詳しく知ることができます。お時間があるとき、調べてみてください!