このサイトに訪問した聴覚障害者は健聴者との関り方に悩みを持っている方なのではないでしょう?あるいは、聴覚障害者のマナーをなんとかしてあげたいと思っている健聴者の方なのではないでしょうか?
聴覚障害者の私もろう学校(聴覚障害者支援学校)に3歳から20歳まで17年間育ち、健聴者との交流は少ないほうでした。
社会人なりたての頃、新しい気づきの連続でした。それは当たり前すぎる話かもしれませんですが、ろう学校で20年育ってきた私が、ろう学校で不通にしてたマナーなどを社会の世界に活かすと変な目で見られたことが何度もありました。
今では健聴者の先輩、上司の振る舞いなどを見て真似をしながら勉強しています。
これから社会人になる聴覚障害者にむけて、聴覚障害者になんとかマナーを教えてあげたいと思っている健聴者の方が参考になれば幸いです。
マナーは意外と簡単!?
社会人なり立ての頃、ほとんどの人が私に変な目で見られました。
ろう学校で、聴覚障害者の先輩に対し、手招き(手話でいうと呼ぶ)、手で挨拶、指差し(手話で言うなら、それ、これ)などをしてたのを、それがクセになって、社会の世界に表してしまいました。なので、変な目で見られるのは当然です。
しかし、社会人の先輩に言われるまで全然気づきませんでした。
ある日、僕の行動が気になった先輩に「君、マナーが悪いよ」と言われ、その時はお恥ずかしながら心の中で反抗しました。
ろう学校で17年間も先輩に対し、手話で手招きなどをしてたため、クセが完全に身についてしまい、それが社会の世界に現れました。
反抗してたため、自分は正しい、と思い、直しませんでした。すると、また先輩に「マナー直したほうがいいよ」と。
正直、何言ってるんだ?と思いました。落ち着いて考えると、周りから変な目で見られていると気付きました。スマホでマナーを調べると、自分のマナーの悪さに気づきました。先輩の言う事が正しかった。
マナーの勉強をしていくうち、気づいたのが、
マナーとは
相手を気持ちよくさせる
ことです。
手話で手招きをしてたときは聴覚障害者は手話で「呼ぶ」と認識してくれるのですが、健聴者にとっては気持ちよいものではありません。
自分のマナーの悪さに恥をかき、勉強し、今では変な目で見られていると感じることが少なくなりました。
ただ、完全になくなったとは言えませんが、勉強を続けています。
気持ちよくさせる、とは?
マナーは簡単、と書きましたが、相手を気持ちよくさせるにはどうふるまいしたらいいかを考えることが大事です。
言い換えれば、相手のことを考えるのです。
読者のあなた、想像してみてほしいのですが、美容店のA店、B店があります。美容技能レベルはどっちも高いです。
A店は清潔を心がけ、しかも、挨拶を徹底している。
B店は不潔で、挨拶もない。
おそらく、B店を選ぶ人がいません。どんなにレベルが高くても、選ぶ人がいません。
服装もだらしない、挨拶もない(けど、実は全国クラスのレベルの美容スキルの持ち主)だったら、任せられるのかが不安になりやすいでしょう。
あるケースでは、服装だらしないのに、実はすごい人だと知り、結婚したという話は聞いたことがありますが、最低限度のマナーを心がけることが大事です。
マナーがない人の特徴
私自身の経験を含め、マナーがない人を数百人ほど見てきました。マナーがない人の特徴は
思いやりが欠けている
それだけです。
言い換えれば、自己中心です。
社会人なり立ての頃の私を振り返ると、「ろう学校と同じようにマナーで接したらいい」と考えたが、逆の結果として変な目で見られた。
あの時、「健聴者と聴覚障害者は違うかもしれない」と考えたら、前もってマナーの勉強してたかもしれません。ある意味、私も自己中心でした。
よくあるのが、電車の床にあぐらをかいて座っている高校生。実は私も経験しました。今思えば、「かっこよくみられたい」と思い、やってしまったが、変な目で見られた。
それが自己中心で思いやりがかけていた。
そこまで読んでみて、「自分はおもいやりをかけていたかも」と気づいたら、マナーの良い人間への第一歩です。
また、聴覚障害者にマナーとは思いやりだよ、と教えるのもありです。
マナーを教えるとき、理由をセットに
手話も同じですが、なぜこの手話なのかという理由をセットにしたほうが忘れにくい。
聴覚障害者の私も何人か手話を教えていますが、理由をセットにし覚えるとより忘れにくい。
次の週になっても、理由をセットにし教えた手話を覚えてくれた人が多かった。
礼儀もそうですが、マナーも必ず理由があります。
理由をセットにし教えたほうがより気を引き締めることができます。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
聴覚障害者の私もマナーが悪く、変な目を見られた過去がありましたが、先輩の一言がなかったら今でも続いたかもしれません。
先輩の一言が変わったと実感しています。私と同じように、この記事を読んでいる読者が上司、あるいは先輩であれば、ぜひ聴覚障害者に言ってあげてほしいです。
読者のあなたが聴覚障害者なら、読んでみて「自分はあんなことしてた・・・」と思ったら、自分を変えられます。
今もまだ変な目を見られるような行動をしてしまうことがあるかもしれませんですが、お互い勉強を頑張りましょう!