このサイトに訪問した健聴者は聴覚障害者を育成したいけど、どう教えたらいいのかがわからなくて、悩みを抱えている方なのではないでしょうか。
このサイトはコーチリンク理論に基づき、記事を書いています。また、聴覚障害者の私も、新社会人の時、健聴者の先輩にコーチングを受け、育てられた時期もあったので、その経験を交えてお話をします。
聴覚障害者の育成に参考になっていただけたら幸いです。
ただ、一つだけ理解していただきたいのが、聴覚を含む障害があっても、同じ人間です。何が言いたいのかいうと、健聴者の読者のあなたが親あるいは先生で、聴覚障害者は生徒あるいは子供のように接してみてほしいです。
では、コーチング理論、聴覚障害者の私の経験に基づき、記事執筆していますので、ぜひご参考ください。
目次
聴覚障害者の特性
まず、特性を理解しなければ、聴覚障害者に合った教え方を見つけるのが難しいと思うので、まず特性についてお話を進めましょう。
聴覚障害者の種類は大きく分けると以下の2種類です。
難聴、ろう者
この二つを細かく分類すると以下の画像の通りになります。
A5三つ折り案_vol1_20171024 (shionogi.co.jp)より引用
聴覚障害者の私の場合は。重度難聴(聾)です。
(聾)は「ろう」と読みます。簡単に言い換えれば、全く聞こえない重度の聴覚障害者です。
ですが、中に聴覚障害者でも口話ができる人がいます。ただ、一つ勘違いしてほしくないのが、「口話できる=聞こえる」です。本当にこれがよくある勘違いなのです。健聴者であれば、「口話もできるし、聞こえる」でしょう。聴覚障害者の場合は「口話できるが、聞こえない」「口話も聞こえることもできない」「1つ1つの言葉なら話せるが、ペラペラと話すのが難しい」
様々なタイプがおられます。聴覚障害者の私は「1つ1つの言葉なら話せるが、ペラペラと話すのが難しい」です。
これはどういうことかいうと「私は今記事を書いています」と健聴者であれば普通に話せるのに対し、私の場合は「私は」「今」「記事」「書いています」のように1つ1つ分けて話しています。よく見ると「を」が抜けています。「を」という発音が難しいです。助詞を省いて話すことはよくあります。
聴覚障害者にコーチング
聴覚障害者の特性を理解していただけたと思います。
となると、教え方がそれぞれ違います。教え方に関しては、聴覚障害者本人に「筆談でいいのか」「口話でいいのか」を確認してみてください。
聴覚障害者の私もそうでしたが、仕事で筆談するために書く作業を生じ、作業する手を止めたくないからなのか「口話」で話しかけられました。筆談を申し込んでも聞いてくれず、心が閉じていきました。
それが進んでいき、気づかせるのが難しくなったかもしれません。私もそうでした。
よくあるのが、自分の意見が言いたいのに、相手が勝手に進められたことです。
健聴者の読者のあなたもそういうことをしていませんでしたか?
「していた」と自覚していたのなら、「気づかせる」の第一歩になります。
コーチングとは
コーチングで最も大切なことは「発見をうながす」ことです。
言い換えれば、聴覚障害者の私も経験ありますが、仕事がうまくいくためのアイデアは持っていたのですが、申し込もうと聞いてくれなかったり、返事がなかったり、口話でなんとかしようとされました。(ボツされたかも通ったのかもわからないぐらいです)
そのやり方では聴覚障害者のやる気が低下させやすいです。
健聴者の読者のあなたが上司であれば、部下の聴覚障害者はもしかしたら素晴らしいアイデアを持っている可能性もあります。
また、コーチングの本質は「未来を作り出す主体的な人材を作る」ことにあります。要は、気づかせて、未来に向けて飛躍できるようにすることが大事です。
聴覚障害者にコーチングする方法
コーチングする際、まずやらなければならないことは、探索の伴走者になることです。要は協力者になることです。
先ほど供述しましたが、健聴者の読者のあなたが仕事で筆談するために書く作業を生じ、作業する手を止めたくないからなのか「口話」で話したのであれば、聴覚障害者にとっては、心のシャッターを下げた可能性もあります。
その場合、今すぐ探索の伴走者になると言っても難しいです。ただ、この記事を読んでいるということは「なりたい」という気持ちをお持ちの方だと思うので、聴覚障害者の私の経験を含めて読んでいただくと協力者になれます。
コーチングの基本的な流れ
まずやっていただきたいのが、挨拶です。
聴覚障害者に「おはよう」「ありがとう」と心を込めて言ってみましょう!
それで距離を縮めて、「元気?」などを聞いてみましょう!
ある程度の信頼関係が築けたら、発見を促す質問してみましょう!
健聴者の読者のあなたが「この仕事について何かいい考えがあるのかな」と聞いてみましょう。
聴覚障害者が「これがやりにくいです。」と言われたら「それで?」「それから」と聞きましょう。その時、笑顔を心がけましょう。
聴覚障害者が「なので、私は~~~という方法がいいのでは?と考えています」と言われたら
健聴者の読者のあなたは「なるほど!」と言ったり、関心が産まれたら「もっと聞かせて」と言ってみます。
聴覚障害者と一緒に考える
コーチングと聞くと、「答えを引き出す」とイメージしがちです。確かに昔のコーチング技術は「答えを引き出すやり方」でした。今では変わりました。
「一緒に答えを考える」ことです。
答えを引き出すやり方でいうと、「どう思う?」「どう考えるの?」などを聞いて、答えを引き出すやり方です。
一緒に答えを考えるやり方でいうと、「さっきこれがやりにくいと言ったよね?それであなたは~~~という方法がいいと言ったけれど、この方法でやった場合、どう変わるのかな?」と一緒に考えます。
美術の授業をイメージしてみましょう。
答えを引き出すやり方でいうと、美術の先生が「壺の絵をかいてください」と指示。生徒は壺を思い浮かべながら書く。
答えを一緒に考えるやり方でいうと、美術の先生が「壺の絵を描きたいけど、どう書けばいいんだろう?」と一緒に考える。生徒は「こう書けばいいかな?」に対し、先生は「なるほど、次はどう書けばいいかな?」
共通点は先生は答えを知っています。前者のやり方では「さぁ答えて!」と一方的にいうようなもの。後者のやり方は「答えを一緒に考えましょう」というやり方です。
後者のほうが、聴覚障害者も安心して考えてくれます。
ぜひこのやり方で聴覚障害者にコーチングしてみましょう!
大きな質問よりも小さな質問
一回体験してもらったほうが理解できると思うので、まず、健聴者の読者のあなたに質問します。
あなたのビジョンは何ですか?
すぐ答えた人は少ないです。
大きな質問を回答するには、自分の意識を深く入り込ませる必要があります。
大事なのは、小さな質問から慣れていくことです。
「この記事を読んだ理由はなにですか?」であれば、すぐ回答できるのではないでしょうか。ほとんどの人は「聴覚障害者にどう教えたらいいのかが知りたい」からというのではないかと考えています。
「そのスーツどこで買ったの?」「昨日のお昼ごはん何食べたの?」というような感じにすぐ答えられる小さな質問から始めていきましょう!
そこで大事なのは、必ず答えらえる質問にすることです。
「なぜ」より「なに」
「なぜ」を聞かれると相手の責任を追及する響きがあります。理由は子供の時代の時にある場合が多い。
子供が悪いことをしたら、親や先生に聞かれるのはたいてい「なぜ」です。
「なぜ」と聞かれると防衛反応が働き、答えづらくなってしまう場合が多いです。
そんなとき、「なぜ」を「なに」に変えましょう。
「なぜ目標達成しなかったの?」ではなく「なにが具体的に目標達成の障害になったんですか?」
後者のほうが客観的に考えられそうなのではないでしょうか?
沈黙を効果的に活用
コーチングする際、訪れるのが「沈黙」です。雑談の際もそうですね。
コーチングを受ける側は「何か言わなければ」という心理が産まれます。
そんなとき一言をかけます。その一言は「ゆっくり考えてください。黙ってますから」と言ってあげましょう。
そうです、たった一言だけで相手は「そうか、慌てて話さなくてもいいんだ」と思えます。
すると、相手は「沈黙のこわさ」がなくなります。
沈黙が訪れたら伝えてあげましょう!
焦らず強く辛抱をする
「黙ってますから」と言いながらも時間がかかりすぎたからといって、こちからから提案をする人がおられます。
提案はもちろん悪いとは言っていません。ただ、焦らず強く辛抱をしたほうが相手の信頼が得られます。
「きっと見つける」と信じてあげましょう。
焦らず強く辛抱を待つということは相手が考える、要は思考力などの能力も磨けます。
そこはなんとか、焦らず強く辛抱をしてあげましょう!
そのほうが信頼が得られやすい。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「コーチング理論」は難しいとイメージされたかと思いますが、これまで紹介したコーチングは基本であり基本中の基本です。
ぜひコーチングを活かして聴覚障害者との関係を築きましょう!
聴覚障害者の特性は大きく分けて難聴、ろう者です。細かく分けると
軽度難聴、中度難聴、高度難聴、重度難聴(聾)があります。
コーチングは「引き出すやり方」ではなく、「一緒に考えるやり方」だと覚えましょう!
昔は引き出すやり方でしたが、今の時代は「一緒に考えるやり方」だと頭を入れてコーチングしましょう!
その前に大事なのが挨拶することで、探索の伴走者になることからスタートです。聴覚障害者の私の経験、コーチング理論を基づいて、記事を書きましたが、ぜひご参考していただけると幸いです。
改めて最後まで読んでいただきありがとうございました。